放射線防護技術編
獣医療における放射線防護の基礎知識
4.大動物のX線撮影 参考ムービーはこちら

(6)X 線装置の管理

 小動物の同じ項目を参照して下さい。また、X 線装置を移動することが多い場合には、業者による定期検査の頻度を高める必要があります。


参考資料4
X線診療施設の管理の基本

(7)測定

 小動物の同じ項目を参照して下さい。


参考資料3-7
施設のモニタリング

個人線量モニタリング

(8)X 線撮影

    ア 小動物の一次X 線と散乱線についての説明を参照して下さい。
    イ 大動物では散乱線の発生が増加するので、管理区域に入る者は必ず防護衣を着用して下さい。
    ウ X 線撮影を行う前に、あらかじめ四肢などの撮影部位の汚れを取り除いておくことで、高品質の画像を得ることができます。無駄な撮影を減らすことも放射線防護の一部です。
    エ 馬の撮影では、無口頭絡ではなく、ハミ付きの頭絡を使用する方が安全です。できれば、馬の扱いに慣れた人に口取りを依頼する方が安全に撮影を行えるでしょう。
    オ 四肢のX 線撮影には、蹄を乗せるブロックを使うことで、診断に適した撮影を行うことができます。
    カ X 線撮影の際、やむを得ず飼育者の協力を得なければならない場合であっても、被ばくの可能性が高いため四肢の保定やカセットの保持などを依頼してはいけません。飼育者には、放射線による被ばくのおそれがあることを説明し同意を得るとともに、一次X 線をあびないように適切に指示する必要があります。その際には、防護衣を着用させポケット線量計等も携帯させることにより、被ばく線量を把握しておくことが必要です。
    キ 大動物では、動物を立たせた状態で撮影を行うことから、水平ビームの使用が多いので、照射の前にはビームの先に人がいないか確認しなければなりません。特に、農家の牛舎などで撮影する場合には、木造の壁の向こう側に人がいないか必ず確認しましょう。また、フィルムやイメージングプレートのカセットを保持する補助者の身体の一部にX 線ビームがあたらないように、十字照明によるコリメーターの調節を行うことが必要です。
    ク 撮影者の被ばくを避けるために、照射スイッチの長いコードを活用して装置からの距離を取ることを習慣にして下さい。
    ケ X 線撮影を行う時には、必ずその時にX 線装置の使用記録(記帳)をつけなければなりません。記帳項目は、日付、動物の詳細、X 線撮影の場所、撮影に関わったすべての人、X 線撮影の条件などです。


II - 2
(1)防護用具の用途と種類、
(2) 鉛当量とX線の遮へい能力












附属資料4
飼い主等が管理区域内に
入る時の同意書の例













獣医療法施行規則第19条


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