放射線防護技術編
参考資料
1.放射線生物学 参考ムービーはこちら

6 直接効果と関節効果

 細胞などに放射線を照射した時、標的分子が受ける放射線の作用には直接効果と間接効果が知られています。

 直接効果とは、放射線エネルギーが生体分子に直接与えられ、電離や励起などを起こして標的分子自身が変化し、細胞が傷害されることを言います。

 間接効果とは、放射線のエネルギーが直接に標的分子に与えられず、他の分子を介して間接的にエネルギーが与えられることによって影響を生じることを言います。生体では、放射線は主として水分子に作用してラジカルが生じ、このラジカルが浮遊・移動し、標的の分子に作用して傷害を与えます。例えば、放射線の重要なターゲット分子であるDNA に対しての効果を模式的に示すと図3のようになります。

 直接効果では、放射線のエネルギーをDNA 鎖が直接吸収し、DNA 損傷を生じます。一方、間接効果では、放射線のエネルギーを水分子が吸収し、生成されたラジカルがDNA 鎖と反応してDNA 損傷を生じます。生体ではこの間接効果による影響が主体で、重要視されています。

図3 直接効果と関節効果
図3 直接効果と関節効果


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