人類はその誕生以来,自然放射線を被ばくしてきた。この自然放射線源は以下に分類されます。
1)宇宙線
1次宇宙線としては大部分は水素の原子核の陽子(プロトン)です。
2次宇宙線はプロトンが大気圏に存在する原子核と相互作用により生成される中間子,プロトン,中性子やγ線,X線などがあります。この宇宙線は標高が高くなると被ばく量も増加し,環境放射線の約10%を占めます。
2)宇宙線により生成される放射性核種
2次宇宙線が大気中の原子との相互作用によって生成される放射性核種であり,14C,7Be,22Na,3Hなどがある。
3)大地の放射性核種
地球創生以来の放射性核種には55種類あり,壊変系列(ウラン系列,トリウム系列,アクチニウム)が41種類,長寿命の14系列がある。これらの系列に属する核種からはα線,β線,γ線が放出される。このウラン系列の222Rnとトリウム系列の220Rnが自然放射線の50%を占めています。また,長寿命の40Kは自然放射線の15%を占めています。40Kはγ線を放出し,また,カリウムは人体の構成元素でもあるため,人体は常に放射線を放出しているわけです。
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