|

|
放射線利用に関する検診の検査項目には,血液検査,爪および目の検査があります。いずれも増殖が盛んな器官です。放射線の目に対する晩発影響としては白内障が重要です。この白内障は2Gyの被ばくによって水晶体混濁が起こり,臨床的に問題になるのは5Gy以上の被ばくによって起こります。
水晶体の大部分は線維細胞からなっています。細胞は分裂し,水晶体線維に分化していきますが,放射線照射によって細胞分裂が阻害され,異常線維が除去されることなく後極に蓄積することにより水晶体の混濁が始まります。この白内障は直接生命にかかわるような疾病ではありませんが,視力障害をきたし日常生活に大きな不便を与えるため,重大な晩発効果といえましょう。 |
|
|
|
|
 |