■X線装置に関する放射線防護  
1.基本事項  
■放射線による細胞増殖死と間期死
 
放射線による細胞致死効果の評価には細胞分裂の破たんを示す増殖死が最も重要です。皮膚,腸上皮,骨髄および癌細胞は分裂を繰り返しています。しかし,細胞に放射線が照射されたとき,細胞は1回〜数回分裂した後,分裂を止めてしまいますが,分裂を止めた細胞でも核酸・蛋白合成などの活動は継続しています。つまり,細胞の代謝は継続しつつも,分裂する能力を失っている状態なのです。この状態を増殖死と定義しています。 一方,間期死は,細胞が分裂することなく不活化し,死ぬことと定義されています。大線量の放射線を浴びるときの細胞機能が失われることや小線量の放射線によるリンパ球の細胞死は間期死に区分されます。 間期死は,受動的・病理的な細胞死をネクローシス(壊死),能動的・生理的な細胞死をアポトーシスと呼んでさらに区分されます。