■X線装置に関する放射線防護  
1.基本事項  
■アポトーシスとネクローシス
 
アポトーシスとネクローシスがあります。ともに細胞の死ですが,誘導メカニズムや形態的特徴が大きく異なっています。 ネクローシスは虚血などの病理的要因による受動的な細胞死です。ミトコンドリアが膨化し,細胞が膨潤します。その後,細胞核も膨潤し,ミトコンドリアが破裂,細胞融解を起こします。この細胞融解のため,細胞内容物が流出し炎症反応を引き起こすことになります。 一方,アポトーシスは,プログラムされた細胞死とも呼ばれ,細胞内に生じた何らかの異常を自分で感知することによる積極的・能動的な細胞死です(細胞の自殺)。細胞膜と核内構造変化を伴う細胞サイズの縮小から始まります。同時に細胞膜表面に存在する微絨毛の消失や,表面の平滑化などが起こります。細胞核はクロマチン構造がなくなり凝縮しますが,特に核辺縁に半月状に凝縮が多くなる傾向があります。核全体の凝縮・縮小は激しく,その結果,細胞全体のサイズの縮小や細胞質内に空胞が出現します。膜の水疱形成と核クロマチンの凝集・断片化が進むと,細胞内容物は膜につつまれた小胞(アポトーシス小体)となります。細胞はアポトーシス小体に急速に断片化され,たちまち近燐の貪食細胞に処理されるため,炎症反応は起こさないのが大きな特徴です。