放射線防護技術編
参考資料
5. 事故等の発生に伴う措置

第13条: エックス線診療従事者等の被ばく防止

1 診療施設の管理者は、エックス線診療従事者等(エックス線装置の取扱い、管理又はこれに付随する業務に従事する者であって管理区域に立ち入るものをいう。以下同じ。)の受ける実効線量が次に掲げる値を超えないようにしなければならない。
    一 平成13年4月1日以後5年ごとに区分した各期間につき100ミリシーベルト
    二 4月1日を始期とする1年間につき50ミリシーベルト
    三 女子(妊娠する可能性がないと診断された者及び妊娠する意思がない旨を診療施設の管理者に書面で申し出た者を除く。次項第三号を除き、以下同じ。)については、前二号に規定するほか、4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日を始期とする各3月間につき5ミリシーベルト(P150【参考 】を併せて参照のこと)
  • 「エックス線診療従事者等」とは、エックス線装置の取扱い、管理又はこれに付随する業務に従事する者であって管理区域に立ち入る者です。具体的には、獣医師の他に、獣医師の指示・監督の下で動物の保定などを行う診療補助者があげられます。
  • エックス線診療従事者等以外の者は、原則として管理区域内に立ち入ることはできません。
  • 本条第1項の実効線量は、外部被ばくによる線量の測定によるものです。
  • 実効線量は5年毎に管理します(5年間で100ミリシーベルト)。ただし、1年間の実効線量は、50ミリシーベルトを超えてはいけません。
  • 女子の場合、実効線量は3月間に付き5ミリシーベルトを超えてはいけません。ただし、この場合、妊娠する可能性がないと診断された者及び妊娠する意思がない旨を診療施設の管理者に書面で申し出た者は除かれます。
  • 女子の妊娠に関する書面の申し出については、確実に行われるよう配慮する必要があります。(参考)


2 診療施設の管理者は、エックス線診療従事者等の受ける等価線量が次に掲げる値を超えないようにしなければならない。
    一 眼の水晶体については、4月1日を始期とする1年間につき150ミリシーベルト
    二 皮膚については、4月1日を始期とする1年間につき500ミリシーベルト
    三 妊娠中である女子の腹部表面については、本人の申出等により診療施設の管理者が妊娠の事実を知ったときから出産までの間につき2ミリシーベルト
  • 等価線量は、外部被ばくによる線量の測定によるものです。
  • 等価線量は、眼の水晶体については年間150ミリシーベルト、皮膚については年間500ミリシーベルトを超えてはいけません。
  • 妊娠中の女子の腹部表面は、本人の申出等により妊娠の事実を知ったときから出産までの間につき2ミリシーベルトを超えてはいけません。腹部表面の等価線量は、腹部表面における1センチメートル線量当量で評価します。


3 診療施設の管理者は、放射線障害を防止するための緊急を要する作業を行うときは、当該作業を行うエックス線診療従事者等(女子を除く。)については、前2項の規定にかかわらず、前2項に規定する限度を超えて作業に従事し、又は従事させることができる。ただし、当該作業に従事する間に受ける実効線量は100ミリシーベルトを、眼の水晶体の等価線量は300ミリシーベルトを、皮膚の等価線量は1シーベルトを、それぞれ超えてはならない。

  • 第13条第3項は、放射線障害を防止するために緊急を要する作業を行うときの線量限度を規定しています。
  • 緊急を要する作業に従事する間に受ける線量は、実効線量は100ミリシーベルトを、眼の水晶体の等価線量は300ミリシーベルトを、皮膚の等価線量は1シーベルトを、それぞれ超えてはいけません。
  • 緊急を要する作業には女子(妊娠する可能性がないと診断された者及び妊娠する意思がない旨を診療施設の管理者に書面で申し出た者は除きます。)を従事させてはいけません。


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